ファイナンス系記事例
以下は、実際にM&A事例制作を依頼された記事(文字数約9,900文字)の一部分です。全体2万文字程度の三部構成の記事の中で、ここでは第一部だけを掲載しています。
M&Aについては、多くのサイトが業態別に事例を掲載していますが、じっくり読むと違う業界のM&A事例を紹介しているなど、違和感を覚える記事が少なくありません。
これでは、業界を熟知している経営者の信頼性を失うと共に、すぐにページから離脱すると考えられます。
下記の文章は、ターゲットを「経営に悩む中小企業オーナー」に設定し、できる限り、M&Aに興味をもってもらえる内容にしています。また、出典はすべて公的機関のデータを用いて、信頼性も高めています。
「M&Aは難しそうだ・考えたことがない」という経営者の皆様。一度、この記事をご覧ください。
中小零細企業が多く、元請の需要に大きく左右されると同時に後継者不足に悩む下請業界。
さらに環境への対策など、これらの業界の経営者には課題が山積していることは皆様、ご承知の通りです。
「元請の依存から脱却すべきだ」
「原材料や運賃の高騰への対応は?」
「後継者がいない」
「常に環境対策にコストが必要だ」
このように、今後、ますます顕著になっていく中小企業が直面している課題。
この記事をご覧になっている方は、このような問題にお悩みではないでしょうか。
近年、経済や社会などの周辺環境の変化に伴い、これらの企業も従来型の戦略ではなく、日々、新しい戦略が、ほかの業界と同様に求められています。
これらの課題に対応するため、生き残りをかけて、中小企業の多くの企業がM&Aを積極的に活用し、事業規模の拡大や効率化、事業継など、従来型の経営からの脱却を図っています。
M&Aや事業承継は、単に企業の規模を拡大するだけでなく、新たな技術や市場へのアクセス、さらには経営資源の最適化を実現する手段です。
また、後継者不足や技術革新のスピードに追いつけない中小企業にとって、事業承継は存続のための重要な選択肢の一つなのです。
しかし、M&Aや事業承継は専門的かつ複雑でリスクも伴うため、成功には慎重な準備と戦略が必要です。
今回、中小企業におけるM&Aと事業承継の全体像を三つのパートに分けて、以下の構成で解説していきます。
このような流れで、中小企業のM&Aを明らかにし、成功のためのポイントを徹底的に解説します。
また、売却相場の理解から実際の成功事例までを幅広くカバーしているため、今後、直面するであろう課題への理解を深め、実際の取り組みに役立つ情報を提供していきます。
また、後継者不足や技術革新のスピードに追いつけない中小企業にとって、事業承継は存続のための重要な選択肢の一つなのです。
しかし、M&Aや事業承継は専門的かつ複雑でリスクも伴うため、成功には慎重な準備と戦略が必要です。
今回、中小企業におけるM&Aと事業承継の全体像を三つのパートに分けて、以下の構成で解説していきます。
項 目 | 内 容 |
---|---|
第一部: 中小企業のM&Aについて | ・中小企業にとってのM&Aのメリットについて、売り手側と買い手側両面から説明 ・実際の統計数値を見ながら、中小企業のM&Aの現状を把握 ・中小企業のM&Aで用いられる主な手法を知る ・中小企業のM&Aの工程・流れを知る |
第二部: 中小企業のM&A戦略 | ・中小企業のM&A戦略の利点と重要性 ・中小企業の概況 ・中小企業も参考になる:大手のM&A戦略 |
第三部: 中小企業のM&Aについて欠かせないこと・まとめ | ・中小企業のM&Aの注意点としての競業避止義務 ・中小企業のM&Aを成功させる3つのポイント ・終わりに |
このような流れで、中小企業のM&Aを明らかにし、成功のためのポイントを徹底的に解説します。
また、売却相場の理解から実際の成功事例までを幅広くカバーしているため、今後、直面するであろう課題への理解を深め、実際の取り組みに役立つ情報を提供していきます。
中小企業におけるM&Aや事業承継に興味を持つ企業経営者や関係者の皆様が、この記事を通じて、M&Aに対してさらに良い意思決定を行うきっかけとなることを期待しています。
第一部:中小企業のM&Aについて

中小企業にとって、M&Aのメリットは何か
まず、下表のように中小企業のM&Aにおいてのメリットを売り手側・買い手側の両面から、くわしく説明していきます。
売り手側のメリット | 買い手側のメリット |
---|---|
・後継者不足の解消 ・従業員の雇用継続 ・資金調達、オーナーのEXIT ・事業の選択と集中 ・借入における個人保証の解除 | ・事業拡大のチャンスになる ・新規事業へのハードル削減 ・優秀な人材の確保 |
売り手・売却側のメリット:廃業よりもM&Aを
M&Aにおける売り手・売却側のメリットについて、それぞれ説明していきます。
後継者不在が解消できる
中小企業にとって後継者不足・不在による休廃業は大きな問題です。しかし、M&Aを実施することで休廃業を回避できる可能性があります。
また、会社を譲渡することで譲受企業から経営陣を迎え、これまで通り会社を存続できる可能性も高くなります。
多くの場合、大手企業の経営者クラスに位置する優秀な人物が売り手側の経営者となるため、譲渡した企業の事業規模はこれまでより拡大される場合もあります。
後継者不足に悩んでいる企業にとって、会社の譲渡・M&Aを行うことは廃業を避けるためにも大きな手段のひとつなのです。
従業員の雇用を継続できる
売り手側の企業が廃業目前であった場合、M&Aを実行することで既存従業員の雇用を継続して守ることができます。
実際にM&Aを行った場合、ほとんどのケースで買い手企業によって従業員の雇用が継続されています。
労働条件においても引き継がれるケースがほとんどなので、既存従業員が被る影響は、廃業と比較してかなり大きく抑えることができます。
給与待遇や労働条件が同じであれば、M&A後の離職率も低い水準のままとなります。
また、M&A後に給与・労働時間・年間休日・福利厚生などの改善が行われるケースも多くみられます。
このように、M&A後にさらなる好条件で雇用されるケースもあるため、既存従業員にとっては大きなメリットとなります。
資金調達・オーナーのEXIT
当然ながらM&Aによって売却された企業は、買収側の企業から金銭的収入を得ることができます。
この点は、売り手・売却側のオーナーにとっては大きなメリットです。
M&Aによって獲得した現金の使い道としては、以下が考えられます。
- 残っている借入金の返済
- オーナー自身の引退後の生活資金
- 新規事業における資金源
もし、M&Aをせずに廃業となれば、有形資産を処分する費用や解雇する従業員への補償など、多くのコストがかかります。
このように、オーナーにとっては廃業を選ぶよりM&Aを選ぶことの方が、はるかにメリットは大きいでしょう。
事業の選択と集中
景気悪化が続いてきた日本では、生き残りのために複数以上の事業を多角展開する企業も珍しくありません。
しかし、事業の多角化は一歩間違えれば、赤字を生み出し、廃業の原因になる可能性があります。
M&Aのスキームの一つである「事業譲渡」によって、不要となった事業やその関連資産だけを選別して売却することが可能です。
実際に事業譲渡で、特定の事業だけを他社に売却する企業は数多くあります。
M&Aの事業譲渡によって事業を売却し、得意分野に資金や人員を集中することで、経営状態の好転にもつながる事例も多くもあります。
借入における個人保証の解除
借入での資金調達では、当然ながら返済義務が生じ、返済ができない場合は個人資産を失うことになります。これは、経営者にとって大きな精神的負担となります。
特に中小企業の場合、経営資金の融資調達はオーナー経営者の個人保証や個人資産を担保に入れることがほとんどのはずです。
倒産や廃業に陥った場合、オーナー個人の損害は甚大なものとなります。
M&Aで会社を売却することで、会社は廃業や倒産を免れるだけでなく、債権債務も買い手に引き継がれることが多いため、個人保証や担保差し入れを解消することができます。
このように、オーナーが持っていた大きな悩みの種をすべて解消することに繋がるのです。

買い手・買収側のメリット:事業拡大はM&Aで
M&Aにおける買い手・買収側のメリットは、以下の通りです。
事業拡大のチャンス
M&Aにおいて買い手・買収側が得られる最大のメリットは、事業拡大のチャンスを得られることです。
M&Aによって買収側の企業は規模やシェアの拡大を達成することができます。
これは、M&Aにおいては、売り手企業が持つ設備や不動産のような有形資産に加え、顧客・取引先・各種情報などの無形資産を手に入れることも可能だからです。
特に、中小企業双方のM&Aは市場シェアを拡大させ、ライバルに圧倒的な差を付けることにも繋がります。
新規事業参入へのハードル削減
買い手・買収側企業にとって、新規事業や新規分野への参入を迅速に行うための有効な手段の一つとしてM&Aがあります。M&Aによって、自社の経営資源だけでは難しい新規分野への進出がスピーディーに実現できるようになります。
このように、内部の資源だけで、ゼロから新規事業を構築するよりも、買収によって事業そのものを買うことのほうが、はるかに早期の進出が可能となります。
さらに、M&Aによって新しい事業を買収し、一つだけの事業展開で生じるリスクを回避することも可能になります。
このように、売却先の企業が持つノウハウや市場シェアをそのまま引き継ぐことができるM&Aは、ここ数年で一気に増加しています。
M&Aを行うことで、新規事業への投資額は減少し、参入コストと時間が削減されることで、結果として、早期の段階で利益を確保できるといえます。
優秀な人材の確保
少子高齢化が問題となっている現代では、優秀な人材の確保がどの業界においても必須の課題です。
M&Aを行うことによって、売り手・売却側企業に所属する従業員をそのまま雇用すれば、優秀な人材をそのまま自社に引き入れることができます。
業界におけるノウハウも既に所有しているため、研修を行う手間も省くことが可能なのです。

このように中小企業のM&Aは、売り手も買い手もそれぞれ大きなメリットを得ることができます。
この記事をご覧の多くの方が中小企業のオーナーです。そこで、ここからは、実際の統計数値を見ながら、中小企業のM&Aの現状を説明していきます。
数字で見る中小企業のM&Aの現状
2024年現在の最新データである「2023年版「中小企業白書」全文 | 中小企業」(以下、白書という)の中で、中小企業の事業承継やM&Aに関する部分について説明していきます。
事業継承が進み、後継者不足は減少傾向に
第2-2-3図(白書)のように、後継者不在率は、2017年の66.5%をピークに減少傾向にあり、2022年は57.2%と、2011年以降初めて60%を下回っています。
これは、後継者不在の課題が改善されつつあることを示しています。

なぜ、後継者不在率は減少傾向にあるのか。
その答えは、2021年以降の50歳代と60歳代における後継者不在率の低下にあります。
第2-2-4図(白書)を見ると、50代(緑色)と60代(水色)の後継者不在率が2021年から低下していることがわかります。
これは、「休廃業する50代から60代の経営者が減少している」ことを意味します。

その一因として、白書では、以下のように述べています(太字は筆者による)。
今回の調査だけでは一概にいえないものの、50 歳代・60 歳代における後継者不在率が低下した要因の一つとして、同年代において事業承継が進み、後継者不在による休廃業の動きを鈍らせた可能性が考えられる。
このように、年齢的に次の10年を考える50代から60代の経営者層が、実際に事業継承を行っているために後継者不在率は低下傾向にあるわけです。
事業承継の類型と現状
このように、増加傾向にある事業承継ですが、ここでは、その類型と現状を説明します。
まず、以下の表(「中小企業白書 2023 Ⅱ-127 第2-2-10図 事業承継の類型を一部変更を加えて引用)のように、白書が示している事業承継の類型は3つあります。
類 型 | 概 要 |
---|---|
親族内承継 | 現経営者の子をはじめとした親族に承継 メリット: 1)内外の関係者から心情的に受け入れられやすい。 2)後継者の早期決定で十分な準備期間が確保できる。 3)相続等で財産や株式を後継者に移転できるため所有と経営の一体的な承継が期待できる。 |
従業員承継 | 「親族以外」の役員・従業員に承継させる方法 メリット: 1)経営能力のある人材を見極めて承継できる。 2)長期間働いた従業員は経営方針等の一貫性を保ちやすい。 |
社外への引継ぎ(M&A) | 株式譲渡や事業譲渡等により社外の第三者に承継(M&A) メリット: 1)親族や社内に適任者がいない場合でも、事業継承が可能。 2)現経営者は会社売却の利益を得ることができる。 3)M&Aが企業改革の好機となり、更なる成長の推進力となることもある。 |
この3つの類型の中で実際にどれが多いのかについての調査結果が以下の第2-2-11図(白書)です。

このグラフを見ると、従来型の親族内承継(青色)は減少傾向にあり、2022年は従業員承継(オレンジ色)と同率となっています。また、いわゆるM&A(赤色)は、2020年から増加傾向にあります。
このように、親族内継承は減少し、従業員承継とM&Aが昨今、増加傾向にあるのです。
事業承継後は売上が増加する
上述したように、事業承継そのものが増加傾向にあり、その中でも従業員承継とM&Aが主役となっています。
そこで、実際に事業承継後の企業成長について分析したものが、第2-2-12図(白書)です。

これは、売上高成長率を同業他社との差で示したものです。
事業承継後、2年間は同業他社と比較してマイナス成長ですが、5年目以降は事業承継実施企業の成長率は上回っています。
このように事業承継は企業の新たな成長機会であることが明確に数値として示されているのです。
M&Aは活発化:2022年は過去最多
事業承継の3つの類型の中で、社外への引継ぎ(いわゆるM&A)の件数推移が、第2-2-42図(白書)となります。

2022年は過去最多の4,304件となっており、非公表のデータも考慮すれば、近年のM&Aは極めて活発化しているといえます。
ここまでのまとめ
ここまで説明してきた中小企業のM&Aの現状をまとめたものが以下となります。
- 50代から60代の経営者は、企業の持続的成長のために積極的に事業承継を実施している。
- その事業承継のパターンとして従業員承継とM&Aが増加している。
- M&A実施企業は、同業者よりも成長率が高い傾向にある。
このように、中小企業にとってM&Aは、企業の持続的な成長にとって欠かせない戦略になっていることが数値としても明確に現れているのです。
参考:買い手側から見た中小企業M&A
以下は、参考資料として「買い手側のM&Aに対するニーズや目的」を白書から紹介します。

第2-2-44図(白書)から、以下のような買い手側の特徴がみられます。
- 買い手側は自社よりも小規模の会社が買収対象となっている
- 異業種ではなく、同業種の買取りを望んでいる
- 仕入先や協力会社が対象となっている
- 同一の都道府県か近隣の企業が対象としている
- 水平統合型M&Aを目的としたものが多い
次に、買い手側企業の買収目的の分析結果が、第2-2-45図(白書)です。

この結果から、M&Aを実施する主な目的は、「売上やシェア拡大」、「新規事業・異業種参入」のほか、「優秀な人材の確保」や「専門技術やノウハウの獲得」などとなっています。

ここまで、中小企業のM&Aの現状について「2023年版「中小企業白書」全文 | 中小企業庁」から実際の数字で確認してきました。
次からは、中小企業のM&Aで用いられる主な手法について説明していきます。
中小企業のM&Aで用いられる手法とは
中小企業のM&Aで用いられる主な手法は、以下の通りです。
株式譲渡
概要:
- 株式譲渡とは、売り手・売却側の株主が保有している発行済株式を買い手・買収側に譲渡する手法。
- 売り手側の企業(A社)は買い手側(B社)の子会社となる。(以下の画像は、2020年3月31日付経済産業省プレスリリース「「中小M&Aガイドライン」を策定しました (METI/経済産業省)」に記載の「中小M&Aガイドライン参考資料」から抜粋。現在は、国立国会図書館のアーカイブ資料)

この図では、株式譲渡の流れを以下のように示しています。
- 買い手側B社の株主である株主Yは、売り手側A社の株主XからA社の全株式を買い取る。
- A社は、譲渡後にはB社の子会社になっており、株主Yだけが株式を保有していることになる。
メリット:
- 会社の資産・負債・従業員や社外の第三者との契約、許認可等は原則存続する。
- 手続きが他の手法に比べて容易である。
- 買い手側企業は売り手側企業を子会社として取得するため、事業の拡大や多角化を図ることができる。
注意点:
- 未払残業代や貸借対照表上の数字には表れない簿外債務や損害賠償債務等を、そのまま引き継ぐ可能性がある。
事業譲渡
概要:
- 事業譲渡とは、売り手・売却側が持つ事業の全部または一部を買い手・買収側に譲渡する手法である。
- 買い手側は、売り手側の事業を引き継ぎ、運営を継続する。

この図では、売り手側A社の「乙事業」を、買い手側B社が買い取ることを示しています。
メリット:
- 買い手側企業は、新たな事業領域への進出や、事業拡大が可能となる。
- 買い手側企業は、特定の事業や財産だけを買い取るため、簿外債務・偶発債務のリスクが減る。
- 売り手側企業は、事業の一部を売却することで資金調達や経営資源の集中化を図ることができる。
注意点:
- 事業譲渡の場合、資産・負債・契約及び許認可等を個別に移転させる必要があるため、債権者や従業員などの利害関係者から個別の同意を得る必要がある。
- 許認可は承継されないことが多く、買い手側で許認可を新規に取得する必要がある。
- このように、事業譲渡は、株式譲渡に比べて手続が煩雑になる。
これらの手法のほかに、「会社分割」・「合併」・「業務提携・資本提携」などがありますが、中小企業のM&Aでは、株式譲渡と事業譲渡の二つが多く採用されています。
ここまで説明してきたように、中小企業のM&Aは、増加傾向にあると共に、株式譲渡や事業譲渡は、中小企業のM&Aにおいて重要な手法の一つです。
しかし、中小企業のM&Aは、専門的な知識が必要な工程があります。
最後に、中小企業のM&Aの工程・流れについて説明していきます。
中小企業のM&Aの各工程・流れ

中小企業のM&Aの全体の工程・流れが下図です。

このフロー図は、中小企業庁が作成した中小M&Aガイドライン(第2版)に掲載され、以下のように説明されています(太字・赤字は筆者による)。
一般的に、中小M&Aは、以下のフロー図の「中小企業の動き」に記載の流れに沿って進むことが多い。また、同図の各工程においては、「主な支援機関」に記載の支援機関が中小M&Aの支援を行うことが多い(実際には、個別の事例において、これら以外の支援機関が支援を行うケースもある。)。
出典:中小M&Aガイドライン(第2版) P29
ここで指摘されているように、中小M&Aの大半はこの流れで行われると同時に、各工程それぞれにM&A専門業者が助言・支援を行っているのが現状です。
では、それぞれの工程の概要を「中小M&Aガイドライン(第2版)P30-46」に準じて説明します(注:下の表の見出しは、フロー図記載の見出しに準ずる。例.「(1)意思決定」)。
以下の表で、大まかな中小企業のM&Aの各ステップが理解いただけるはずです。
工程・流れ | 内 容 |
---|---|
(1)意思決定 | ・経営者がM&Aを行うかどうかの決定は容易ではなく、支援機関への相談も行う。 ・その後、最後の意思決定を経営者自らが行う。 |
(2)ー1 仲介者・FA(※)を選定する場合 | ・まずは、M&A専門業者のような仲介者・FAを選定し、仲介契約・FA契約を締結する。 ・仲介者・FAの選定は、報酬だけでなく業務形態や業務範囲・内容、M&A取引の実績などを確認し、複数から比較検討して決定する。 ※FA(フィナンシャル・アドバイザー)とは、買い手側・売り手側それぞれ一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関のこと。 |
(3)バリュエーション (企業価値評価・事業価値評価) | ・企業価値評価は事例ごとに異なるため、適切な方法の選択には支援機関やM&A専門業者への相談が望ましい。 |
(4)譲り受け側の選定 (マッチング) | ・相手を探すマッチングは、最も重要な工程。 ・信頼できるM&A専門業者などにマッチング支援を依頼して進めることが有用。 |
(5)交渉 | ・売り手・買い手の経営者同士の面談(トップ面談)は、特に重要。 |
(6)基本合意の締結 | ・基本合意は、その時点における売り手・買い手の主な了解事項を確認して締結。 |
(7)デュー・ディリジェンス(DD) | ・買い手が、売り手の財務・法務などの観点から第三者専門家に依頼して調査。 |
(8)最終契約の締結 | ・DDで発見された点や基本合意で留保していた事項について再交渉を行い、最終的な契約を締結する。 ・株式譲渡か事業譲渡が用いられることが多い |
(9)クロージング | ・株式や事業の譲渡、譲渡代金の支払を行う。 |
(10)クロージング後 (ポストM&A) | ・クロージング後、売り手側は、PMI(M&A 実行後における事業の統合に伴う作業)として、買い手側への円滑な引継ぎに誠実に対応する。 |
中小企業M&Aは専門業者も必要

ここまで、中小企業の観点からのM&Aについて、売り手・買い手双方のメリット、数値による概況やM&Aの類型、各工程について説明してきました。
また、M&Aを円滑に進めるためには、数多くの事例を取り扱っている我々のようなM&A専門企業の必要性もご理解いただけたと思います。
今までの説明で、もしご不明な点、さらに深く知りたいとお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。